アメリカのパスタ屋

スパゲッティの銘柄、調理法については、ボストン潜伏記「ロンゾーニ」の正しい調理法が面白い。私もときどきボストン方面に出張することがあるのでアメリカのパスタの歯ごたえのなさには閉口することが多い。

ボストンのNorth End地区はイタリア人街である。友人が「地球の歩き方」に紹介されていたちょっと高めのこぎれいなレストランにぜひ行きたいというのでそこで食べた。やけに愛想のよいウェイターに確かめたがアルデンテだろうね、と注文前に確かめたが、普通のアメリカ風パスタであった。一人前40ドルぐらいはかかったと思うが、ぜんぜん値段に見合う味ではなかった。思い出すのは、"Big Night"(邦題「シェフとギャルソン、リストランテの夜」)という映画である。イタリア系移民の兄弟がレストランを開くが歯ごたえのある正しいパスタを出していては客が来ないが、職人気質の兄のコックはアメリカ人の好みに合わせようとはせず、結局閉店に追い込まれる。Lexingtonというボストン郊外の町で、ほとんど英語がしゃべれないイタリア人が給仕をしているレストランに期待して入ったが、出てきたのはやはりアメリカ風ゆですぎスパゲティだった。