物乞い

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50026176.html:なぜ日本のホームレスは乞食にならないのか?

ホームレスに限らず、日本には乞食が本当に少ない。最後に乞食に出逢ったのはいつのことだろう。

私は、これを必ずしも日本の美点とばかりは見ていない。裏を返すと人の助けを乞うのが下手だということだからだ。

 問題を共有するのが下手という表現には頷かされます。「問題」は誰かの落ち度ということになり、問題の解決ではなく責任の追及(あるいはもみ消し)に向かうのが、われわれの性向のように思います。

私も、昭和40年ごろまでは上野や浅草で傷痍軍人の身なりをした物乞いがいたことを幼心にはっきり覚えておりますが、1970年代以降は物乞いを見かけた記憶はありません。また、80年代ごろまでは盛り場周辺でしか見られなかったルンペン(ホームレス)が90年代になって、普通の住宅地の公園や商店街(たとえば、この杉並区)に拡散してきて目立つようになってきましたが、確かに物乞いはしないですね。これが、施さない「文化」のためなのか、それとも取締りのためかは存じませんが。

 それにしても物乞いにスマートに施すのは難しいものです。シチリア島で案内をしてくれたイタリア人が、教会周辺にたむろするジプシーに小銭を手早く渡すさりげなさに感心したものです。しかし、私が一人で歩いているときに一人の物乞いにあって立ち止まった一瞬後に集団にとりかこまれて体中のポケットに手を突っ込まれるという目に会ってからは、どんなにかわいそうに見えても乞食に施す気にはなれません。弾さんは乞食に施しますか?