浮利を貪る薬局

皮膚科で処方された塗り薬を駅に近い薬局で求める。
チューブを何本か出すために10分も待たせる。3人以上の薬剤師が処方室でうろうろしているが、実質的にはろくに働いていないことは明らか。思ったより高い金額だったので、内訳がわかる領収書を頼んだところ、出てきたのは、総点数と支払い金額が書かれただけの紙である。こちらは、二種類の薬の値段と、それにどのような点数(料金)を薬局が上乗せしたのか知りたいのに、そのようなものを出すことはできない、という。書式はなくても教えろ、といったところ、さらに数分待たせて出てきた書付には、

  • 薬剤料 989点
  • 調剤基本料 49点
  • 技術料他 57点

と書かれていた。病院で薬を出してもらうときには薬剤料だけだったので、患者の立場から見ると、手間が増えただけでなんの利点もなく、1割以上支払額が増えている。身内に医療関係者がいるので知っているが、もちろん、薬剤料にも、薬局の利益分は相当含まれている。追加されている106点はまるまる薬屋の儲けである。

「調剤基本料」は、とにかくついてきて、薬局ごとに違うという。多くの医療機関に対応する薬局は在庫が多くなるので、この基本料が高いという。大病院のそばにある薬局では、ほとんどの処方がその病院からくるので、この基本料は安いらしい。この薬局は高いほうである。

「技術料」とは何か。これは、どの薬局でも同じ額になるという。今回の薬はチューブ入りの外用薬である。それを棚から取り出して袋に入れるだけで何の技術か。聞いてみると、調合が必要な薬の場合は、さらに別料金を上乗せするという。どの顧客にどのような薬を出したか、すべて記録するのでそのために料金をとるという。そんなことは、こちらではまったく頼んでいない。そんな記録は、健康保険組合で記録しておけば十分だろう。プライバシーに関することを、勝手に地元の薬局が保管するとうことにまったく告知を受けていない。これは、法律で決められているのか、薬屋同士のカルテルなのか。まったく納得がいかない。

医薬分業が10年余り前からどんどん進んでいるが、患者にとってよいことは皆無。薬屋、薬剤師が自分たちの利益のために政治的圧力をもってそのような方針を全国で進めているとしか思えない。

調剤基本料や技術料を自由化して談合を禁止し、内訳を明示した領収書の発行を義務付けるべきである。